自主性と主体性
私たち教職員は、子どもたちに「主体性」をつけたいと日頃から思っている。
しかし、実は「自主性」をつけているのではないかと思う今日この頃。
「主体性」と「自主性」という言葉の意味は似ているようで大きな違いがある。
「主体性」とは、「自分自身の判断でやるべきこと(目標にすること)を決めて、「責任を負って行動する態度」のことを意味している。
それに対して「自主性」とは、「自分自身で判断して、やるべきことを率先して行う態度」や「自分から進んで行動しようとする姿勢」を意味している。
自主性も主体性も「自分自身で進んで行動する」という意味では似ているが、「自主性」は「決められていること(やらなければならないこと)を率先して行う態度」という点で大きく違ってくる。
要するに、「自分が立てた目標、考えたことを率先して行動するか」、「決められたことに向かって率先してやるか」の違いである。
学校はどちらかというと「自主性」に趣をおき、育てている部分が大きいと感じる。
特に、小学生は経験の積み重ねが無い分、自分で決めて行うという部分が出来ないのでは?と感じている教員が多いのではないか。実際に私も感じていた。
これは今まで、重要なことを子どもに任せてこなかったことから生じる、大人の思い込みともいえるだろう。
今回の「階上小レインボーフェスティバル」の2部も、子ども1人が1つのブース(お店)とやることが決まっていた。その中で子どもたちは、自分の持っている最大の力を出し切って頑張っていた。
しかし、それは「主体性」を育てているのではなく、物を売るというゴールを教師が設定し、それに向かって子どもたちは頑張っていた点からも「自主性」を育ててしまっていたのではないかと考えさせられた。
「主体性」を育てるには、周囲の大人が子どもの声に耳を傾け、「子どものやりたい」にもっと寄り添い、大切にしていかなければならないと思った。
11月になると、教育課程編成会議が始まる。(来年度の教育課程をどうするか、今年度の成果と課題を整理し、来年度取り組むことを決める会議)
階上小は、「子どもの声」を教育課程に反映させながら、来年度に向かっていきたいと考えている。